HIGH STYLE TAKANAWA ハイスタイル高輪

未来を俯瞰し、いまを語る。緑多き都心の楽園・高輪
Facebook
twitter
隈研吾氏に聞く 『新駅誕生と高輪』
品川駅と田町駅の間に開業する新駅。設計デザインは、世界的な建築家・隈研吾氏。日本の伝統的な折り紙をモチーフとした大屋根が特徴で、素材には膜や木などの素材を使用。障子をイメージした光と木を感じる空間作りを目指す。「同じ木を使うにしても折り紙状の屋根というのは、ヒューマンスケールで大屋根が分割されているわけです。そのデザイン自体が昔の木造住宅を思わせるような仕組みになっています」と話す隈氏。コンクリートばかりの東京を、駅という場を活用して「木の都市」に変えていこうという隈氏の思いがそこに表れている。そんな隈氏に、新駅設計のコンセプト、そして高輪の今後について伺った。

山と海の接点に、都市機能をデザインする
設計コンセプトは、山と海をつなぐ広場としての役割を担う駅でありたいというもの。
通常、駅というのは、交通を処理する「点」に過ぎませんが、この新駅は都市的な意味合いを駅自体が担う「場」になります。
つまり、単なるインフラの一部ではなく、あくまでも都市空間の一部であり、そこに人々の息吹が交差する、
極めてヒューマン・ライクなシンボルを目指します。
伴って、駅周辺も大きく変わることでしょう。しかもそこには、従来の東京にないものが生まれてくると予想しています。
現在の東京は、どんどん埋め立てられて海を感じる場所が少なくなっています。
しかしここは、山と海の接点として機能できる希少なエリアです。そうした自然の恵みに加えて、交通アクセスが羽田や成田に近くなるという利便性の両方を兼ね備えた、
今までの東京にない場所になるはずです。
新駅周辺が再開発されれば、好むと好まざるにかかわらず、人の流れも変わり、泉岳寺を入口とした高輪の街にも影響が及ぶと思われます。
それを良い影響になるように導くことも今後の設計課題で、歴史や自然条件といったものをきちんとリスペクトして臨まなければと思っています。
ただし、街をより良くしていくためには、流れてきた人たちをどのように受け入れるかという仕組みづくりも課題になります。
当然ながら今後は、高輪の街でも駅周辺の開発に呼応するような動きがでてくるでしょう。それに関わる方たちが、変化の波に飲み込まれることなく、
その変化に柔軟に対応していくことができれば、高輪はきっと、今以上に素晴らしい街になることでしょう。
2020年、品川駅、田町駅間は大きく変わります。しかもそれは、機能に特化した殺伐とした東京ではなく、温かさと懐かしさを実感できる「新東京」への変貌です。
またそれは「新高輪」の誕生をも意味します。
隈 研吾(くま けんご)
1954年横浜生まれ。1979年東京大学建築学科大学院修了。
コロンビア大学客員研究員を経て、2001年より慶應義塾大学教授。
2009年より東京大学教授。1997年「森舞台/登米町伝統芸能伝承館」で日本建築学会賞受賞、
同年「水/ガラス」でアメリカ建築家協会ベネディクタス賞受賞。
2002年「那珂川町馬頭広重美術館」をはじめとする木の建築でフィンランドより
スピリット・オブ・ネイチャー 国際木の建築賞受賞。2010年「根津美術館」で毎日芸術賞受賞。
近作にサントリー美術館、根津美術館。
著書に「自然な建築」(岩波新書)「負ける建築」(岩波書店)「新・都市論TOKYO」(集英社新書)
バックナンバー
COPYRIGHT (C) 2014 HIGH STYLE TAKANAWA. All Rights Reserved.